相続発生時に相談するべき専門家
2022.11.07
30代の女性お二人がご相談に来られました。
話を伺うと、数日前にお父様が他界され、相続のことでご相談に来られたようです。
お母様は既に数十年前に亡くなっておられ、相続人は今回のご相談者である姉妹のみです。
姉妹はそれぞれご結婚されていてご実家をでられています。
なんとなく相続手続きに期限があるということはご存知のようでした。
特に遺言などはなく、現時点で分かっていることは、相続財産の中にこれまでお父様が住んでいたご自宅と、預貯金がある、ということです。
相続財産である自宅の登記を調べると、建物所有者は父で、土地所有者は姉妹となっていることがわかりました。詳しくお話をお伺いすると、お母様の相続のときにこのように登記されたとのことでした。
これは珍しいケースです。というのも、家屋とともに自宅土地は配偶者である夫に相続するケースが一般的には多いからです。
このような名義にしていたことから今回の相続では建物だけが相続税の課税財産になり、土地は課税されません。
もし、土地もお父様名義にしていた場合はその分相続税が多くなっていました。
もしかしたら、お母様が亡くなられたときに2次相続(お父様の相続)対策のためにあえてそのような登記をされたのかもしれません。
専門家の強み
今回弊社がこのご相談者に対して行ったことは、税理士と司法書士の紹介です。
税理士は相続税申告のため、司法書士は不動産登記のため、それぞれの専門家の手助けが必要になります。
それだけ?と思われるかもしれませんが、誰に相談するか、ということはとても重要です。
それ次第でまったく違う結果になる可能性があります。
今回ご相談者の方にご紹介させていただいた税理士は、税理士の中でも相続税や贈与税などの資産税に強い税理士です。
専門家はそれぞれ強みをもっています。
税理士という仕事ひとつとっても、会社の会計に強い税理士や資産税に強い税理士と各分野に精通した税理士がいるのです。
相続の相談をしたいのに、会社の会計に強い税理士に相談するとどうなるのでしょうか。
時間がかかり、思ったような結果が得られなかったとしても費用は発生します。
資産税に強い税理士に相談したほうが業務遂行はスムーズにいくでしょうし、場合によって相続税の支払い額が違ってくることも十分あり得ます。
しかし、何を誰に相談すればいいかわからない状態では、その先に税理士や司法書士の手助けが必要であること、ましてやその分野に強い税理士に相談しなければならないことなどはわからないはずです。
そんな時の専門家への橋渡し役としてファイナンシャルプランナーがいることを知っていただきたいと思います。
専門家への橋渡し役
ファイナンシャルプランナーの業務においても保険販売に強い事務所、資産運用に強い事務所、相談業に強みを持つ事務所など様々です。
相続問題が発生した場合は相談業務を得意とするファイナンシャルプランナーに相談していただくことが最適な方法だと思います。
また相続には各専門家との密な連携が必要になってくるので、相談先が専門家と精通しているかどうかというところも重要です。
選ぶポイントとして、ファイナンシャルプランナーの中でも上位であるCFPを取得している、各専門家と精通しているファイナンシャルプランナーに相談できるとより信頼度は高いと思います。
相続で悩んだ時の相談先
もし、今回ご相談者のお二人が弊社にご相談に来られていなかったとしたら、何をどこに相談していいかわからないまま相続手続きの期限を過ぎていたかもしれません。
相談の問題が発生した場合に、どこに相談していかわからず一人で悩まれている方は実際に多いです。
そういった際に適切な専門家を紹介してくれるファイナンシャルプランナーという専門家がいること。中でも相談業をメインに活動しているファイナンシャルプランナーを選ぶとよいこと。CFP資格保持者であればより信頼性が高いこと。各専門家と精通しているファイナンシャルプランナーを選ぶべきであること。こういったことを認識したうえで、相談先を選んでいただけるとよいと思います。