ある研修に参加した時の出来事です。

僕は何度かその研修に参加していてる馴染みの研修だったのですが、その日は初参加の大学生がいました。

とても頭を使う研修内容ということもあり、その大学生は研修に戸惑っているようで、ずっとパニック状態で、テンパっている様子です。何かとすぐ、隣に座っている僕に質問してきます。

「質問する前にもう少し自分で考えればいいのに」と思いつつ、質問に答えていました。

研修の途中で席を移動する場面がありました。

僕はいつも気づいたことをすぐにメモできるようにノートを持ち歩いています。

そのノートにメモを取ろうとしたとき、そのノートがないことに気付きました。

「あれ？おかしいな、確かさっきの移動の時ノートを持ってきたはず、どこに行ったのだろう、もしや、先ほどのパニック状態の大学生が間違ってノートを持っていってしまったのではないか・・」と思いはじめ「いや絶対にそうだ！」という確信に変わりました。

大学生に声をかけようとしましたが、タイミングが合いませんでした。念のため自分が座っていた元の席を確認してみたら、ノートはその席にありました。自分が元の席に置き忘れていたのです。

僕は、つい先ほどまで、罪のない大学生を疑ってしまった。

勝手に疑い、その大学生の彼がノートを持っていってたように錯覚していたなんて、そんな自分が恥ずかしくなり、そして猛烈に反省しました。大人気なく、彼に「持ってるでしょ」なんて言わずに本当によかった・・

 

そういうことって、実は皆さんも経験ありませんか？

自分のミスなのに誰かのせいにしてしまっていること。

僕は大いに反省し「他人を疑う前にまずは自分を疑おう」このことを教訓にしよう。と思ったのでした。

 

その夜は、研修をうけた方たちと打ち上げがあり、パニック状態だった大学生も参加しました。みんなで楽しく飲んで、帰り道は大学生の彼と同じ方向だったのですが、二人ともかなり酔っぱらっていて、駅の方角がわかりません。

彼はスマホを取り出し、帰り道を調べようとしていました。僕は、タイミングよくタクシーの運転手が車から降りていたので、その方に方向を聞きました。

聞いたとおりに歩こうとしていると、彼はスマホナビをしながら歩こうとしています。僕は、「調べなくていいよ、もしこのまま行って違うところに着いたとしても、それはそれで笑い話になっておもしろいじゃない」といかにも大人ぶって偉そうに言ったのでした。（昼間のことはおいといて）パニック大学生は「あー、はい」と、僕が言いたかったことは、伝わったような、伝わっていないような感じでした。

 

初めは煩わしく思っていた若者との出会いが、思わず自分の嫌な面があらわになるきっかけとなり、自分を見つめ直すきっかけとなった今回の出来事。どんな出会いも縁であり、無駄な出会いはない。やはり出会いは大切にしなければと改めて思ったのでした。